18UW杯の感想を書くと言っておきながらずっと放置してました。決勝が録画できてなかったのと、結果は知っているのとでなかなかやる気が……。それでも第2ラウンド3試合は見たのですが、一気に見ずパラパラ見ていたのと、各試合について思ったことなどをメモっておくのを怠っていたのとで、それぞれの試合について何かしらの記事を書くのはちょっと難しい状況……。ということで、第2R3試合を見て(というか、一番最近見たアメリカ戦を見て)感じたことを、選手ごとにまとめてみました。
・ 松井(桐光)
台湾戦は不調だったというが、韓国戦しかり、やはりコントロールに課題を残している。球数多いし。
そう言えばドラフト関連の記事で「松井の株が暴落」みたいなのがあった(詳しくはこちら)。曰く、プロならあのスライダーを見極められてしまい、そうなったときに打つ手がない、みたいな話。この時期の球団スカウトのコメントは情報戦の様を呈してくるので何とも言えないし、そもそもいかに素晴らしいスライダーといえど、そう簡単にプロがクルクル回られても困るわけだが。
とはいえ、コントロールに不安があるので、プロでスライダーを見られると厳しいのは事実。超高校級左腕がプロではただのノーコンPという、様式美的ルートを歩んでしまう恐れはたしかにあるだろう。そのためにも、コントロールを磨くことはもちろんだが、プロでも通用するカウントの取れる変化球が欲しいところ。18Uではチェンジアップとか投げてたかな? そのへんがどうなるか。
なので、スカウトコメントでは「1年目から通用する」みたいなのもあったけど、個人的には焦らずじっくり育てて欲しい。地元かつ投手難かつ若いスターが欲しいということで、横浜に入ってくれるのが一番良いと思う一方、投手層が薄く無理に登板させられるよりは……とも考えてしまう。
・ 飯田(常総)
小関順二氏曰く「プロ志望すれば上位指名は確実」との飯田だが、さすがにそれは言い過ぎか。プロに行くには、、現状では球威に欠けているように思われる。もちろん、決して球の速いピッチャーではないことは甲子園で既に分かっていたことだが、アメリカ戦を見て改めてもっと球の威力が欲しいと感じた。
第2Rのアメリカ戦では初回に4連打を浴び1点を失ったとはいえとはいえ、打たれた球はどれもそんなに悪くはなかったように思う。タイムリーヒットを打たれた球も、やや甘くなったとは言われていたが、日本の高校生ならヒットにはできなかったのでは。もう何回も書いたように、外国人打者はリーチが長めで、生半可なアウトコースには簡単に対応してしまう。また、この回の4連打の配球は外角一辺倒で、踏み込んで行きやすくなっていた面は あるかもしれない。
とはいえ、良いところに決まっているのにヒットにされてしまうのは、やはり球の力に乏しいせいが大きいだろう(4連打全てが単打というのも、コースは悪くなかったことの証明ではないだろうか)。球速、球威に欠けていれば、いかに良いコースに投げても対応されてしまう。
ただ、小関先生が絶賛するだけの素晴らしさも、もちろん感じることができた。
1点を失ってからは、内外角を上手く使い分け、ヒットは打たれても2点目は与えず3回を投げ切った。その間失投らしい失投は、2回?にあわや3ランという大ファールを打たれた1球だけだったよ うに思う。それぐらい、内外角とも制球は素晴らしかった。
特に印象的だったのは、4連打を浴びて1失点しなおも無死満塁という初回の場面。普通なら動揺してズルズルと行ってしまってもおかしくないところだが、森の内角も交える配球への切り替えに対応し、最後は内角のボールで投ゴロ併殺という最高の結果に打ち取った。そのコントロールもさることながら、何よりも4連打されてもまったく乱れない精神の強さがとても良い。
ということで、進学志望ということなので、進学先で現在の投球術を損なうことなく球威が増せば、きっと今以上に良い投手になるだろう。例えば、元ソフトバンクの和田は高校時代は130キロも出なかったのが、大学で140キロ台を出せるようになったというし、そんな成長曲線を歩んで欲しいものだ。
・ 内田(常総)&園部(聖光)
森君についてはもうここで改めて触れなくても、ということで。ただ、逆方向にあれだけ強い打球を打てるのは本当に素晴らしいと思った(2Rのアメリカ戦とかね)。
さて、この世代の代表的なスラッガーの2人。どちらも森や渡辺(東海大甲府)に比べるとまだまだ粗く、自分のなかではイメージが被っている。確実性なら前者だが、打席に入った際のスラッガーとしての風格は後者の方がよりそれらしい、そんなイメージ。打者としての評価は園部の方が上なのかな? でも内田はキャッチャーということで別の評価がありそう。ということで、どちらも指名順位は同じくらいなのかな。
内田のキャッチャー歴は浅いけれども、例えば楽天嶋なんかもキャッチャーを始めたのは大学かららしいし、そのへんはじっくり育てられれば大丈夫だろう。肩もあるし。是非とも強打の捕手に育ってほしい(阿部ももう年だしね)。
投手に比して野手の小粒化の著しい昨今の日本プロ野球界だけに、指名した球団は彼らのようなバッターを是非とも立派な長距離打者に育て上げて欲しいもの。
・ 渡辺(東海大甲府)
今夏の甲子園出場を逃したものの、18Uでは改めてその実力を見せつけたという感じ。サードの守備も良かった。
阪神や楽天が上位指名を考えているそうだが、できれば楽天に入って欲しい。松井稼頭央もそろそろ怪しいし(まぁ楽天の方が好きというのもあるが)。阪神は去年北條取ったんだから、まずはそっちをちゃんと育てて下さい。
・ 吉田(北照)
個人的には、18UW杯で最も株を爆上げした選手だと思っているのだが、どうなのだろう。なんというか、野球漫画とかで、主役選手に良い場面を与えるという作劇の都合上、妙に出塁率の高くなってしまうキャラのような感じで、何だかんだいつも塁に出てるイメージ(MAJORの大河とか、おおふりの泉みたいな)。2Rアメリカ戦で初めて(←)意識して見るようにしたのだが、逆方向への打ち方が巧みで、器用なバッティングをする選手だと感じた。数年間じっくり育てて、将来的にはSB中村みたいな選手になって欲しい(まぁ中村は、帝京時代に思えがいていた将来像と比べると、良い意味で「どうしてこうなった」という感じだが)。
こんなところですね。今年の夏は久しぶりに、自分の中ではよく高校野球を見た方なので、上に挙げた選手たちが5年後10年後にどうなっているのか、とても楽しみです。飯田君にプロ入りしてほしいなぁ。
夏甲子園の時期は、結構な人数にブログを見て頂いて、とても書いていて楽しかったです。センバツでも似たような記事を書くと思いますので、覚えていたら、是非。
<2013夏甲子園記事まとめ>
試合予想(7日目第2試合まで)/1日目/2~3日目/4日目/5~6日目&2回戦予想
7~9日目/3回戦予想(+妄想)/準々決勝予想/10~11日目/12日目/準決勝予想
13日目&決勝予想/14日目&大会まとめ/
オマケ1……組合せ制度変更とかマスコミの予想について
オマケ2……上の続き
オマケ3……花巻東問題
オマケ4……その他いろいろ
<18U野球W杯2013まとめ>
第1ラウンドその1(vs台湾 vsメキシコ vsベネズエラ)
第1ラウンドその2(vsチェコ)
第1ラウンドその3(vsカナダ)
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・ 松井(桐光)
台湾戦は不調だったというが、韓国戦しかり、やはりコントロールに課題を残している。球数多いし。
そう言えばドラフト関連の記事で「松井の株が暴落」みたいなのがあった(詳しくはこちら)。曰く、プロならあのスライダーを見極められてしまい、そうなったときに打つ手がない、みたいな話。この時期の球団スカウトのコメントは情報戦の様を呈してくるので何とも言えないし、そもそもいかに素晴らしいスライダーといえど、そう簡単にプロがクルクル回られても困るわけだが。
とはいえ、コントロールに不安があるので、プロでスライダーを見られると厳しいのは事実。超高校級左腕がプロではただのノーコンPという、様式美的ルートを歩んでしまう恐れはたしかにあるだろう。そのためにも、コントロールを磨くことはもちろんだが、プロでも通用するカウントの取れる変化球が欲しいところ。18Uではチェンジアップとか投げてたかな? そのへんがどうなるか。
なので、スカウトコメントでは「1年目から通用する」みたいなのもあったけど、個人的には焦らずじっくり育てて欲しい。地元かつ投手難かつ若いスターが欲しいということで、横浜に入ってくれるのが一番良いと思う一方、投手層が薄く無理に登板させられるよりは……とも考えてしまう。
・ 飯田(常総)
小関順二氏曰く「プロ志望すれば上位指名は確実」との飯田だが、さすがにそれは言い過ぎか。プロに行くには、、現状では球威に欠けているように思われる。もちろん、決して球の速いピッチャーではないことは甲子園で既に分かっていたことだが、アメリカ戦を見て改めてもっと球の威力が欲しいと感じた。
第2Rのアメリカ戦では初回に4連打を浴び1点を失ったとはいえとはいえ、打たれた球はどれもそんなに悪くはなかったように思う。タイムリーヒットを打たれた球も、やや甘くなったとは言われていたが、日本の高校生ならヒットにはできなかったのでは。もう何回も書いたように、外国人打者はリーチが長めで、生半可なアウトコースには簡単に対応してしまう。また、この回の4連打の配球は外角一辺倒で、踏み込んで行きやすくなっていた面は あるかもしれない。
とはいえ、良いところに決まっているのにヒットにされてしまうのは、やはり球の力に乏しいせいが大きいだろう(4連打全てが単打というのも、コースは悪くなかったことの証明ではないだろうか)。球速、球威に欠けていれば、いかに良いコースに投げても対応されてしまう。
ただ、小関先生が絶賛するだけの素晴らしさも、もちろん感じることができた。
1点を失ってからは、内外角を上手く使い分け、ヒットは打たれても2点目は与えず3回を投げ切った。その間失投らしい失投は、2回?にあわや3ランという大ファールを打たれた1球だけだったよ うに思う。それぐらい、内外角とも制球は素晴らしかった。
特に印象的だったのは、4連打を浴びて1失点しなおも無死満塁という初回の場面。普通なら動揺してズルズルと行ってしまってもおかしくないところだが、森の内角も交える配球への切り替えに対応し、最後は内角のボールで投ゴロ併殺という最高の結果に打ち取った。そのコントロールもさることながら、何よりも4連打されてもまったく乱れない精神の強さがとても良い。
ということで、進学志望ということなので、進学先で現在の投球術を損なうことなく球威が増せば、きっと今以上に良い投手になるだろう。例えば、元ソフトバンクの和田は高校時代は130キロも出なかったのが、大学で140キロ台を出せるようになったというし、そんな成長曲線を歩んで欲しいものだ。
・ 内田(常総)&園部(聖光)
森君についてはもうここで改めて触れなくても、ということで。ただ、逆方向にあれだけ強い打球を打てるのは本当に素晴らしいと思った(2Rのアメリカ戦とかね)。
さて、この世代の代表的なスラッガーの2人。どちらも森や渡辺(東海大甲府)に比べるとまだまだ粗く、自分のなかではイメージが被っている。確実性なら前者だが、打席に入った際のスラッガーとしての風格は後者の方がよりそれらしい、そんなイメージ。打者としての評価は園部の方が上なのかな? でも内田はキャッチャーということで別の評価がありそう。ということで、どちらも指名順位は同じくらいなのかな。
内田のキャッチャー歴は浅いけれども、例えば楽天嶋なんかもキャッチャーを始めたのは大学かららしいし、そのへんはじっくり育てられれば大丈夫だろう。肩もあるし。是非とも強打の捕手に育ってほしい(阿部ももう年だしね)。
投手に比して野手の小粒化の著しい昨今の日本プロ野球界だけに、指名した球団は彼らのようなバッターを是非とも立派な長距離打者に育て上げて欲しいもの。
・ 渡辺(東海大甲府)
今夏の甲子園出場を逃したものの、18Uでは改めてその実力を見せつけたという感じ。サードの守備も良かった。
阪神や楽天が上位指名を考えているそうだが、できれば楽天に入って欲しい。松井稼頭央もそろそろ怪しいし(まぁ楽天の方が好きというのもあるが)。阪神は去年北條取ったんだから、まずはそっちをちゃんと育てて下さい。
・ 吉田(北照)
個人的には、18UW杯で最も株を爆上げした選手だと思っているのだが、どうなのだろう。なんというか、野球漫画とかで、主役選手に良い場面を与えるという作劇の都合上、妙に出塁率の高くなってしまうキャラのような感じで、何だかんだいつも塁に出てるイメージ(MAJORの大河とか、おおふりの泉みたいな)。2Rアメリカ戦で初めて(←)意識して見るようにしたのだが、逆方向への打ち方が巧みで、器用なバッティングをする選手だと感じた。数年間じっくり育てて、将来的にはSB中村みたいな選手になって欲しい(まぁ中村は、帝京時代に思えがいていた将来像と比べると、良い意味で「どうしてこうなった」という感じだが)。
こんなところですね。今年の夏は久しぶりに、自分の中ではよく高校野球を見た方なので、上に挙げた選手たちが5年後10年後にどうなっているのか、とても楽しみです。飯田君にプロ入りしてほしいなぁ。
夏甲子園の時期は、結構な人数にブログを見て頂いて、とても書いていて楽しかったです。センバツでも似たような記事を書くと思いますので、覚えていたら、是非。
<2013夏甲子園記事まとめ>
試合予想(7日目第2試合まで)/1日目/2~3日目/4日目/5~6日目&2回戦予想
7~9日目/3回戦予想(+妄想)/準々決勝予想/10~11日目/12日目/準決勝予想
13日目&決勝予想/14日目&大会まとめ/
オマケ1……組合せ制度変更とかマスコミの予想について
オマケ2……上の続き
オマケ3……花巻東問題
オマケ4……その他いろいろ
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第1ラウンドその1(vs台湾 vsメキシコ vsベネズエラ)
第1ラウンドその2(vsチェコ)
第1ラウンドその3(vsカナダ)
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