今日の朝日新聞の朝刊に興味深い記事があったので。

親子でお風呂、抵抗感なし? 恋愛に消極的な若者たち


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 若者の恋愛意欲が減退している、というのはよく聞かれる話です。

 その理由は結局のところ、性的魅力が平均以下の人々にとって恋愛というのは色々な意味でハードルが高いということ、また恋愛の代替手段が増えてきて、是が非でも恋人を作らなくても、ある程度の欲求は果たされてしまう社会になってきたこと、などが挙げられるのではないかと思います。
 後者については男性に関して言えば、萌えブームや握手会アイドルブームなどの疑似恋愛システムが発展し、性的欲求についてもインターネットで手軽にアダルト動画が観られるようになったと。多分これは女性もそうなんじゃないかな(女性向けアダルト動画サイトなども近年はかなり流行っているようですし)。

 ただ、朝日新聞の記事はこの問題について、別の角度から背景を考察しているわけです。
 挙げられている理由は2点。

・ 子供の性的自立が遅れ
・ SNSの影響



 1つ目について。
 例えば男子が初めて射精を経験した年代を中学生と答えた人が、36.2%に留まったのだとか。朝日の記事だけだと、小学生と答える人が増えたのでは?と思ってしまいますが、そういう話ではないようで。「中学卒業までに射精を経験しない男子が半数にも達している」ってにわかには信じがたいのですが……。

 そうした性的自立の遅れの象徴的な事例として、記事には尾木ママが登場し、中学生や高校生になっても異性の親と一緒に入浴している人についての危惧を表明しています。もっとも、それが数的に増えてきているているのかどうかについては、よくわからないのですが。
 普通、思春期になればある程度親と距離を置きたがるもの。それが、入浴すらできるほどに、思春期世代の親への抵抗感が薄れてきている。そうした性的自立の遅れが、恋愛への意欲を減退させているのではないかと。

 そりゃあねえ、私だって、中高生で親とお風呂とか、母息子だろうが父娘だろうがヒきますよ。でも、それは各家庭の事情なので、ほっといてやれよと思うわけですよね。
 中高生になっても異性親と一緒に風呂に入っていたという10~20代の男女3人の話を例に挙げて、「この3人はいずれも現在、恋人がいない」としているのですが、余計なお世話じゃないですか。だいたい、恋愛意欲の有れば恋人ができるのかって話ですよ! 恋愛って一口で言うけれども、恋と愛の間にどれだけの隔絶があることか。なんか書いてたら腹立ってきた(笑)

 性的自立なんて、早いか遅いかの話であって、いずれ訪れると思うんです。

 私は、中高とまったく恋愛感情を抱かず(まあそれは男子校だからでもあって、エロいこと自体には凄い興味はあったしオナニーばっかしてましたが)、巷にあふれる恋の歌とか鼻で笑っているくらいでした。しかし大学に入りある人が滅茶苦茶好きになってしまって、ネットなどで馬鹿にされがちだった西野カナの歌詞にすら「分かるわー」とか思ってしまったりしたわけです(恥)
 あるいは私の知人の女の子にも、容姿は綺麗だし性格に問題があるわけでも無く、男性に声をかけられることも少なくなかったものの、彼女自身はそういう感情とほとんど無縁で大学まで過ごしてきた人がいました。その彼女がある日先輩を好きになってしまい、その恋バナ的なものを聞く機会があったのですが、そのメロメロ度合いと言ったらなかったです。その様子が可愛くて、正直惚れてしまいそうだった。
 そういうわけで、中高生で恋愛していないからって、私やその知人のように、突然激しい恋愛感情に襲われるなら、それはそれで良いんじゃないでしょうかね。

 もっとも、恋愛感情を抱くかどうかと性的自立は、冒頭の射精の話を見るにまた別の問題なのかもしれませんが。
 でも、それならそもそも性的自立って何なのよ?って。射精したことのない中学生(の異性愛者)だって、クラスメイトのちょっとしたエロチックな姿(発育した胸部とか、汗ばんだ制服とか……って何言わせんねん)を見て股間がムズムズしたりはするでしょ。それすら無いのなら、それはもはや別の問題だと思うんですが。私も制服女子のいる教室を経験したかったなあ……。
 そこまでくれば、誰かに恋愛感情を抱くのは時間の問題というか。親が子供を監禁しているとかでも無い限り、放っておいても子供は勝手に誰かを好きになって勝手に恋人を作ったり失恋したりするんじゃないかと思うんですよね。その時期が遅いか早いかはともかくとして。
 もちろん、交際に至るかどうかはともかく、恋愛をするなら早い方が良いとは思いますけれども。例え失敗しても経験を積んだ方が、大なり小なり次に生きると思うから。私も大学時代の恋愛に関して言えば、正直後悔しかない(笑)

 そういうわけで、一緒に入浴は行き過ぎた例としても、親と買い物に出かける「親ラブ族」の登場など、親子の共依存化が子供の性的自立を遅らせている、というのは本当にそうなのかな?って思います。
 だって、親が子供に過干渉になってしまうのは、いつの時代もそうなんじゃない? だからこそ思春期の男子と母親は、エロ本やオナニーについて、さながら隠れキリシタンと江戸幕府のような攻防を展開してきたわけで(笑) キリスト教はオナニー禁止ですが
 むしろ男女ともに、性的興味の芽生えこそが、異性親からの自立を促すのでは。
 だから、親子の共依存によって性的自立が遅れるというよりは、性的自立が遅れるからこそ共依存から脱せない(子供が親の過干渉を受容してしまう)のであって、親子の共依存化と恋愛意欲の減退の関連性はそんなに強く無いんじゃないかなあ。


 そしてもう一つの理由として挙げられているSNSの浸透。
 SNSによって友人知人と繋がりまくっている今の若者は、それによってプライベートが衆人監視下に置かれてしまい、恋愛するのが面倒くさくなっているのでは?というもの。

 これは分かる気もします。最近の若い人は、SNSに束縛されているらしいですからね。TwitterもmixiもFacebookもLineも使っている(いた)身からすれば、もっとうまく使えよバカと言いたくなりますが……。
 
 でも、これに関しては、ネットをつまらなくした要因はSNSの発達による、ネット空間へのリアルの浸食だと思っている私としては、その結果抑圧されているとか「プギャー」としか言いようがないですね。そのまま一生束縛されて苦しんでいればよろしい(えぇ……


 まあSNSの影響に限らず、「面倒」というのは大きいんじゃないでしょうか。物理的にも、精神的にも。
 恋愛に積極的にエネルギーを消費して、それが報われると分かっているのならまだしも、そうじゃないことも、というより多くの恋愛弱者にとってはそうじゃないことの方が多いわけだし。
 で、恋愛しなくてもある程度ならその欲求を満たせる装置が充実しているなら、わざわざ面倒な思いをしてまで、あるいは辛い思いを覚悟してまで恋愛しなくても……と言う方向に流れても不思議じゃないと。

 長々と書きましたが、この手の話題を読むと、結局私としては、

Q.何故恋愛しないのか
A.うるせーしたくてもできないんじゃバーカ

って言いたくなってしまうわけです。バーカバーカ。


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