日本3-7メキシコ

 こんな糞試合をゴールデンで中継させられた、TBSがかわいそうになってくる試合。
 いやもっとかわいそうなのは、サッカーの代表戦の裏で、この内容を受けてより興味を失われるであろう第2戦を放送しなければならないテレ朝か。

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 別に、負けたって良いんですよ。
 NPBとメキシカンリーグなら、NPBの方が多少は上でしょうが(少なくとも投手はずっと上でしょう)、リーグのレベル比とナショナルチームの実力比は同一視できないもの。
 それにメキシカンリーグはMLBから3Aクラスが与えられているわけで。10回やって10回勝つような、そういうレベル差じゃないんですよ。 野球未開国と試合してるわけじゃないんだから。
 だったら、初物同士の対戦だし、負けることだって十分にあり得る話。

 でも、負け方ってもんがあるだろ。8個も四球を選んでおいて、5安打3得点止まりとか。
 1回裏から、いきなりバントを挟んで4連続四球。にも関わらず1点しか取れない日本。初回の攻防だけで30分以上かかりながら、両チーム合わせて1点どまりと言う、序盤から不快指数の高いスタート。

 その後も、5回までヒットも打てない日本打線……。メキシコの細かい継投は、初物に慣れる前に代わってしまうという点で、難しさはあったかもしれないけども。それにしたって情けない。

 ソフトバンク勢も投打に精彩を欠きました。内川は初回の押し出し四球で先制した直後の、1死満塁の場面で見事なゲッツー。3回にも2死満塁で凡退……。 
 また、2番手の千賀が3失点と誤算。制球も定まらず、フォークも3イニング目に入るまでほとんど投げられず。WBC球にあっていないんでしょうか。 

 そして、淡々と凡退していく打線に対し、なにも手の施せない小久保……。いやまあ、何か一言声をかけてどうにかなるなら苦労は無いんでしょうけど。でも、こういう負け方をすると、どうしても監督が無能っぽく映るんだよ。
 あとさ、大谷を本番で投手で使うつもりなら、野手起用しかできない今回は別に呼ぶ必要なくない? 投手中心なら、本番は野手として出るとしても代打とかでしょう。試す意味ないよね? 本番に向けてのテストを兼ねた親善試合なんだから、その分別の選手を呼んだ方が、その目的にかなうんじゃ。
 ま、そのへんは、スポンサー様のご意向も、多分に影響しているかもしれないけどね……。

 そんななか武田は、4回1失点とそこそこ。WBC球によるものなのかどうかは知りませんが、カーブもスライダーも、いつも以上に変化していたような。それが良いことなのか、逆に上手く操れなくなって悪いことなのかはともかく。ただ、そんな武田の変化球を、大野は全然捕れていなかったのが気になりました。


 ソフトバンク勢以外でも、全体的に精彩を欠きました。特に打線は、簡単に打ち上げて凡退していった印象が強いです。工夫もやる気も感じられないというか。

 こんなんで、本番は大丈夫なんでしょうか。WBC第1ラウンドは、キューバ、オーストラリア、中国と争い上位2チームに入らなければ、第2ラウンドに進めません。キューバは人材流失でレベルの低下が著しいとはいえ、この面子で上位2チームに入れないとか、そこまであり得ない話じゃないような……。だいたい前回大会だって、格下と見ていた中国の変則投手の前に打ちあぐねてたしな。
 もし第1ラウンドで敗退が決定した場合、日本抜きで、東京ドームで第2ラウンドが行われるわけですよ。ひええ。

 武田、千賀の、今回の親善試合での登板は、この試合限りでしょう。今回の内容が、本番の選考にどう影響してくるか。
 武田は第2先発とか、さほど重要でない試合の先発とかに充てるのには丁度良い投手だと思われるのでともかく、千賀はどうだろう。球が合ってないようなら、選ばなくていいと思うけど。田中、マエケンの代表入りの可能性が、本当にあるならなおさら。
 あとは内川も、別に良いんじゃないかなあ。一塁or指名打者の、鈍足中距離打者とか、そこまで優先順位高くないでしょ。普通にセカンド菊池、指名打者山田で良いと思うんですけど。


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 メキシコチームには、日本と馴染みのある人がチラホラいました。

 まず監督が、元巨人のエドガー。
 親善試合ながら、9投手を細かく繋ぐ継投で、日本打線を翻弄し仕事をさせない采配は見事。他にも筒香や山田のところで、MLBばりの極端なシフトを敷くなど、勝ちにいく野球をしていました。
 あと知らなかったんですけどこの人、マエケンの同僚でもある、ドジャースのエイドリアン・ゴンザレスの兄だったんですね。その弟も、選手登録はされていないものの、サポートするために帯同しているそうです。

 さらにアマダー&ムリーロ(ムリーヨ)という、新旧楽天コンビの姿も。
 ムリーヨはシーズン途中加入のうえ、初出場が9月で、9試合に出場しただけ。楽天ファンでもほとんど覚えてないかもしれません。
 私はそのデビュー戦の試合記事で、なぜか結構な文字数を割いてこんなことを書いていました。

 あと、この日が来日初出場となったムリーロ。
 一番の売りは脚ということになるんだろうが、ショートの守備は不可ではないが特筆すべきものがあるようにも感じられなかった(西田の方が上手そう)ので、打撃で存在感を示したいところ。今年のメキシカンリーグでの成績を見ると、打率は.279、出塁率.347、長打率.420ということで、打高傾向にあるらしいメキシカンリーグでこの数字はどうなんだろう。ただ昨年、一昨年はレギュラーシーズンのopsが.900を超えている。一方でウィンターリーグではレギュラーシーズンに比べるとだいぶ数字を落としているが。
 とりあえずこの日は1本ヒットが出たほか、2四球を選んだ。ボール球にほとんど手が出ない、特に低めのボールを追いかけない選球眼が褒められていた。長打力不足という楽天のニーズに合っているかどうかはともかく、この選球眼が本物ならば結構面白いバッターになりそうな気はする。パワーもそれなりにあるようだし。

 初回のヘッドスライディングからも何が何でも日本で成功しようという意欲が感じられ、首脳陣にも積極的に質問に行ったり、日本語でコミュニケーションを取ろうとするなど日本に馴染もうという姿勢も見せているらしい。覚えた日本語は「お腹空いた」とのこと(笑)
 なんか応援したくなるタイプの外国人選手だが、来年もいるんだろうか。この時期に初一軍ということで素材型の外国人選手なのかと思ったのだが、結構年いってるんだよなあ。


 あと、日本と関係ないですが、メキシコチーム最年少20歳のセンター、ベルドゥーゴという選手が、ドジャースのドラフト2位指名という、有望株とのこと。ドジャース傘下で今年はポストシーズンで3Aまで上がったそうです。
 守備は、落下点への入り方が怪しく、また鈴木のヒットの際にボールを弾いてランナーの生還を許し、失策も記録してしまいました。
 しかし打撃は、同点タイムリーの1安打に終わったとはいえ、他の打席でも鋭い打球を飛ばしており、なかなか良さそう。名前を覚えておけば、いずれはマエケンの試合を見る時に、出場しているかもしれません。
 今回の日本遠征には、両親など親族を6人招いたということなので、日本観光も楽しんでほしいね。


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