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機動戦艦ナデシコ YOU GET TO BURNING [ (アニメーション) ] 
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過去の感想記事
視聴終了時の感想(ネタバレ無し)
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#13-14

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#15:遠い星からきた『彼氏』
 木星蜥蜴の正体が、人間であることが判明する話……なのだけど、ミナトとゴートの恋人関係の歪み、艦内に潜伏していた木星人・九十九とミナト&メグミの脱走、ユリカに対して「貴方はナデシコに何をさせたいの」と将来のビジョンを問うエリナとか、全体的に要素が詰め込まれ過ぎていて、とっ散らかっていた印象が強いです。

 エリナのユリカについて「この人の下で何人死んでるの」という台詞は、このアニメだけに興味深いところ。6話の火星人生き埋めに限らず、実際に戦争をしている以上、クルーに死者も出ていないことは無いと思うのですが、それらしい描写はほとんど無いんだよね。それゆえの緊張感の無さなんだけど。
 ユリカがなんだかんだ言っても、結局アキトアキトな状態からほとんど成長せず、かと言ってナデシコのクルーも基本的にはそうした空気に近い集まり。現実的な思考の持ち主、つまるところ“大人”であるイネスやホウメイ、プロスペクターといった人々は、(大人ゆえに)人の事情や領域に踏み込んでくる積極性に乏しいので、エリナの存在は何だかんだ言って貴重だと思います。
 エリナと言い争いをきっかけに、最終的に自分らしい回答を見つけるユリカ、で1話使っても良かったんじゃないのかね。

 ミナト絡みは、事実上の1話前でいきなりゴートとの関係が明らかになり、そこからの……なのでちょっとついていけない感じ(一応、艦を降りる降りないの話はその時からしていたけど)。
 しかし、ミナトとメグミが九十九の逃走を助けるというのは、男関係で上手くいかないなかの腹いせ的な側面が多分に感じられ、なんというかナデシコらしいなー……と。


 前々回にアキトの交代要員として登場し、その回にして戦死した、黒髪ロングパッツンの交代要員の死を、アキトが気にかけているらしいのが嬉しかった。名無しのゲストキャラ(なお声優は矢島晶子さん)とはいえ、あのまま誰も言及せず……ではちょっと可哀そうなので(ゲーム版ではヒロインの1人として登場するとかなんとか)。

 
#16:『僕達の戦争』が始まる
 木星蜥蜴の事情が、次々と明かされていく回。木星人は、実はかつて地球から追放された人々の生き残りで、その事実は歴史上から抹消され、軍上層部など一部の人しか知らなかったのだ。

 その事実は、エリナやアカツキがムネタケに、月では木星人の九十九がメグミやミナトに話すというかたちで明かされる。……のだけれど、エリナたちの方は、遮断した回線をジャックする形で艦内のクルー全員の知るところとなってしまう。
 ナデシコの電子機器関係に一番精通しているのはルリたちなわけで、エリナたちはいくらなんでも迂闊過ぎじゃあ……。なおこうしてナデシコ全体に機密が明かされてしまったことが、ムネタケの運命を決めてしまうのだけれど、それはまた次の話。

 これまで戦ってきた相手が人だと分かったとしても、またそれが地球側が招いたことだったとしても、木星側の攻撃で多くの人が死に、故郷を失ったことに代わりは無い。アキトが月で居候していた家族もまた、木星の攻撃によって傷つき、無邪気だった少女の瞳は怨嗟に満ちている。
 しかし木星人たちは、地球から追放される際にたまたま持ってきていた「ゲキガンガー」を聖典とあがめ、「正義」を連呼しながら戦う。よりにもよって、アキトが最も愛するアニメの登場人物に、アキトが憎むべき相手が自分の姿を重ねているということが、よりアキトの心を苛立たせる。

 そんなアキトに、木星の事情を知り、これまで通り戦うのはおかしいと思うメグミの声は届かない。そりゃアキトは、木星人に故郷を奪われているからねえ……。むしろアキトからすれば、同じ人間だったということの方が、より憎しみを増大させてしまうのだろう。
 結局は、それまでは平和に暮らしていたメグミと、壮絶な過去を背負っているアキトとでは、見る世界が違うということかもしれない。
 

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