日本8-3イスラエル

 オランダ戦を見ていた時も思ったけれど、イスラエルの国歌ってなんでこんなに悲壮なメロディなんだろうか。とても綺麗なメロディなのだけれど、曲の出だしから、深い悲しみを湛えたような曲調に面食らってしまいます。




 君が代もたいがい、サッカーなどの国際試合とかで聴くと、国歌らしくないメロディだと思うけれども、しかしこんな哀調は帯びていない。
 やはりユダヤ民族が辿った、長く苦難に満ちた歴史の表れなんだろうか。タイトルは「希望」というらしいけど、その言葉から想起させられるような明るくポジティブなイメージは微塵もなく、真っ暗な洞窟を延々と歩いていたら、ようやく一筋の光が差した……みたいな、ズッシリ重い感じのする「希望」です。
 
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 日本の先発は千賀。あのオランダ戦で2イニング30球を投げてから、中2日というマウンドです。 
 本当は武田を先発させたかったんでしょうが、中国打線相手にあの体たらくでは、とても任せられないと判断されたんでしょう。おかげで同僚かつ先輩の千賀が、こうして尻拭いさせられているわけです。

 とはいえさすがに、3回くらいまで投げて降板かなあ、と思ったのですが、なんと5回まで投げさせられてしまいました。それどころか、6回も行かさせられそうになったところを、自ら体の不調を申告して降板したとのことです。

侍J、勝利の立役者・千賀の勇気ある降板「失投して1点取られるより…」(Full-count)

 「正直、今日は僕の代名詞と言われるフォークがよくなかった」と言いながら、5回を無失点で投げ終えて球数は63球。制限の80球まで余裕はあった。小久保監督にも「6回を任せる」と言われたが、ここで千賀の責任感が状況を冷静に判断させた。

「6回も任せるって言われていたんですけど、前の回からちょっと足がつっちゃって。0-0の展開だったんで、それで失投して1点を取られるよりは代わってもらった方がいいかなと」

 投球動作で踏み出す右足のふくらはぎがつったのは「初めてだった」。順調な投球が続いていただけに、6回のマウンドに戻る道を選んでもおかしくなかったが、チームの勝利を考えた時、いらないリスクは取るべきではないと判断。


 やはり中継ぎで調整していて、しかも中2日でのマウンド。無理をしていたということでしょう。むしろ、普通に6回も行かせようと思っていた首脳陣に驚きです。0-0という展開ではあったとはいえ。千賀に、小久保や権藤相手でも臆せず、ハッキリと降板を申告できる勇気とクレバーさがあって良かった。

 フォークは悪かったと語る千賀ですが、要所でバシッとインローに決まる、150キロ超のストレートは、実に見ていて気持ちが良かった。他球団のファンにも、強い印象を残せたでしょう。

 今回の好投で、決勝ラウンドでの先発起用もあるかもしれません。準決勝が菅野、決勝が千賀、とか。 

 
 千賀の起用もそうですが、救援陣にも無理をさせ過ぎているように感じます。特に平野や秋吉は、1次ラウンドの中国戦から、試合のない日を挟みつつとはいえ、これで4試合連続の登板です。
 0-0という展開で、高い安定感を誇っている平野の投入はまだしも、5点リード後での、秋吉らの登板はどうなんでしょうか。2次ラウンドを投げていない、武田や藤浪、岡田を使っても良かったのでは。

 まあ5点差なら、ちょっと気を抜くとあっという間に詰め寄られてしまう点差かもしれませんが、それにしたって8点リードした9回に、3連投になる牧田投入は全くもって不可解です。おかげで3失点してしまい、せっかく守護神に定着しかけていたのに、悪いイメージを抱かせてしまいました。

 あの場面はそれこそ岡田で良いし、何ならオランダ戦で失敗した則本を、もう一度試してみるという手だってあったはず。なんだかんだ代表戦ではリリーフの経験を積み、本来は先発なのでイニングも食える則本は、決勝ラウンドでも展開次第では使いたい存在。
 その起用法を考える上で、判断材料にするためにも、あの場面で則本を(あるいは岡田、武田、藤浪でも)、出してみるべきだったように思うのですが。

 岡田は本職リリーフなのでともかく、もう首脳陣は、武田、藤浪、則本あたりは完全に見切ってしまい、準決勝以降も使う気は一切ないということなんですかね。


 休養の中田に代えて5番に入れた内川が活躍するなど、相変わらず野手起用はなかなか良い小久保ジャパンですが、それに引き替え投手起用は、ここに至っても疑問が多いです。
 というか青木といい中田といい、野手は休養を取らせるくせに、投手にはその発想はないんですかね……。権藤さんは、自身が酷使によって太く短く現役を終えてしまった経験から、投手起用には気を遣う人、という印象があったんですが(インタビューでそう語っているのを聞いただけで、実際のところどうなのかはよくわかりませんが)。



 まあとにかく、準決勝進出が現実的な目標だと思っていたので、何とか達成できて良かった。1次ラウンドで敗退して、野球ファンから叩かれ嘲笑される小久保……みたいなことになるのを恐れていたので。
 コージJAPANが負けたことで、優勝して当然みたいな空気は無い今大会。プレミア12準決勝のような采配ミスや、前回大会の内川のようなチョンボが無い限り、準決勝では負けてもそんなに叩かれることもないでしょう。
 どこが来てもメジャーリーガー集団と対戦することになる準決勝を、安らかな気持ちで楽しめるのは、ありがたいことです。

 地上波放送の場合、準決勝はTBS、決勝はテレ朝ということですが、TBSは前回大会のように、日本以外のチームの対戦になる方も、リアルタイムで中継してくれるのでしょうか。
 そしてテレ朝は前回のように、日本が負けた途端、決勝を深夜の録画放送に変えたりしないでしょうか。

 メジャーリーガーたちが躍動する野球をお茶の間にお届けする良い機会でしょうし、ぜひとも生中継して欲しいところですが。どうせ平日の午前中なんだし。


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