遅くなりましたが。決勝戦の勝敗予想の答え合せと、大会を通じた予想の振り返りです。

 
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第12日(31日)

履正社3ー大阪桐蔭……当たり

 徳山は想像以上の好投。早打ちで凡退を重ねた秀岳館と違い、履正社はどちらかというと球を見ていく戦術に出たが、そのためにカウントが悪くなっても楽にストライクを取りに行けていた。このあたり、配球の妙もあったんだろうが。
 一方で竹田は、8回までに3被弾で3失点。失投というよりは、不用意なボール球を運ばれたという感じで、不運と言えば不運だった。

 それでも、5回までノーヒットに抑えられた履正社の待球戦術が奏功し、また連投の疲労もあったか、徳山は6回以降は捉えられ始める。そして8回、履正社打線が爆発し、一気に3点差を振り出しに戻す。
 私はこの企画(?)を始めた13年夏以降、決勝戦のカードの勝敗予想を外したことは無いのだけど、さすがに今回ばかりは、その記録も途絶えたかなあと思っていた。というか、あの展開で履正社が負けるとか普通に考えてありえん。


 8回裏、押せ押せのムードで勝ち越しまでいけなかったのが痛かった。あるいは9回、西島の代打2ランが出たところで、それ以上の失点は防げていれば……。あそこですスッパリと竹田を代えても良かったし、それが無理だとしても、さすがにもう3点取られるまで投げさせたのは引っ張り過ぎ。
 裏にマウンドに登った根尾は、球は速いものの(ただ、いかにも野手の投げる速球という感じを受けるけど)、静岡戦での印象と同様、制球は悪かった。2点差のままだったら、履正社にも普通に勝機はあっただろう。

 
 15年春、16年春は言うに及ばず、14年春も8回2点差1死満塁ツーボールで中田投入⇒三振などでピンチ切り抜ける神救援みたいな名場面があったことで、最終的な6-2というスコア以上の名勝負の印象が強かった。
 今年の決勝も、9回表の西島の2ランまでは、それらに勝るとも劣らぬ名勝負だったのだけれど、その点でもやっぱり、あの後の3点は余計だったかな……。

 今大会は、春は投手力と言われるセンバツらしからぬ打高投低な大会で、打者のレベルが高かったと言うより、投手がもっと頑張れんか……という試合が多かった印象が強いのだけど、この決勝戦も、なんかそんな大会のカラーを反映したような試合になってしまった感は否めない。
 というかこの感じだと、もともと打高になる夏はどーなるのよ?って。高野連は、反発係数の低いボールを採用を検討した方が良いのでは。

 ついでに余談。投手の負担軽減解決策として、日程緩和や球数制限が言われるけど、甲子園で投手の負担が大きいのには、金属バットゆえの打者有利というのも大きい。
 なので、釣り合いをとるために、(現状より)飛びにくいボールの採用&ストライクゾーンを広めにとる、といった対策をするだけでも、全然変わってくるんじゃなかろうか?
 カウント3-0での判定基準をを常に採用……だと今度は広すぎるかもしれないけど。とりあえず、現状は3-0と0-2で明らかに審判のストライクを取るゾーンが違い過ぎて、追い込んでから無駄なボールを投げさせられているように思えてならない。

  
 さて、予想の振り返り。まずはベスト8予想から。

1.履正社…… 当たり 

2.盛岡大付…… 当たり 
 ここを当てられたのが、個人的には一番良い予想だったかな……。智弁学園戦の三浦のベストピッチは予想外過ぎたけど。チームカラーとしては、打高かつ複数投手(背番号1の平松は怪我があったようだ)で夏向きという印象。それが、今センバツにハマりましたかね。

3.前橋育英…… 2回戦敗退(正解:報徳学園) 

 報徳と迷いつつ、東京以外の関東勢をひとつも入れてなかったこともあって前橋育英に。滋賀学園、大濠の好投手ブロックで2勝しなければいけない望洋、秀岳館と同ブロックの作新、湯浅が怪我していた健大高崎は入れづらかったし。

というか正直、今年の関東(東京除く)は、あまりレベル高くないのでは……?

 とは、1回戦予想の望洋のところで書いたもの。東京以外の関東勢でベスト8に残れるのは1校のみだったので、この見立てはあながち間違っていなかった(東京全滅は予想外だったが)。が、それが迷った前橋でなく、健大の方だったというのは何とも……。
 でも報徳-前橋育英戦は、先発・丸山だったら分からなかったとは思うけど。

4.福岡大大濠…… 当たり
 三浦は神宮での印象通りの好投手。まあ正直、再試合は勝てないと思っていたけれども。夏も1人に投げさせるのは厳しい。それは望洋・金久保も同じ。2番手の台頭と、打線の底上げが無いと(返す返すも、望洋は昨年出られなかったのが勿体なかった)。
 その点、棚原や宮城が好投した滋賀学園は、これに故障の癒えた神村が加わるとなるとかなり面白いのでは。
 
5.仙台育英……  1回戦敗退(正解:健大高崎)
 初戦予想で仙台育英ではなく工大福井にしようかとも思ったのは1回戦の勝敗予想で書いた通り。ただ、工大福井をベスト8に入れる勇気はなく(笑)、無難かつ消極的な予想になってしまった。
 まあ、上述の通り関東のレベルを低く見ていたことと、湯浅を欠くことから、健大高崎を入れる選択肢は私の中には無かったので、どちらにせよここは当てられなかった。

6.秀岳館……  当たり 
 なぜ関東を低く見積もっていたかというと、神宮で見た、秋関東Vの作新学院がそんなに強そうに見えなかったゆえ。
 しかし、秀岳館戦を見る限り、思っていたよりもずっと良いチームでした。 

7.早稲田実業…… 2回戦敗退(正解:東海大福岡)
 ここは予想できないですよ。昨春の海星枠(笑)

8.静岡…… 2回戦敗退(正解:大阪桐蔭) 
 素直に考えれば、そりゃ大阪桐蔭なんだけどね。優勝予想に入れちゃったからね……。ただ、大阪桐蔭戦の静岡は、8点取っておいてアレだけど、あの展開ならもっと点は取れた。8回の三振ゲッツーもほとんど采配ミスみたいなもんでしょうって。
 もっとも、仮にあの殴り合いを静岡が制したとして、その先があったかというと微妙だったけど……。


 続いて優勝予想。

◎:秀岳館……ベスト4
○:仙台育英…… 1回戦敗退    
▲:静岡…… 2回戦敗退

 まずサンデー毎日などで優勝候補トップクラスに挙げられていた、履正社、早実、日大三を予想から外せたのは良かった。
 まあ、早実は優勝するにはどう考えても投手力が足りないし(とはいえ東海大福岡に11失点してベスト8にも入れないとはさすがに思わなかったけど)、日大三も1回戦で履正社を引いた時点で、履正社に勝つ光景が想像できず、あっさりと予想から外せた。

 そして最後に履正社。ここを外した理由は以下の通り。

 プロ級の投手が2人抜けてなお、優勝候補筆頭の履正社。しかも、日程的に一番楽になる初日を引き、さらに初戦の日大三にさえ勝てれば、他の厄介そうな相手校(早実、秀岳館、仙台育英あたり)は向こうの山。
 ここまで悲願成就がお膳立てされていると、ますますやらかしそうな気がしてしまうわけです。

 これは、決勝の前でコケそう、というニュアンスで書いたので、当たっているわけでもないのですが。しかし本当に履正社は、今回優勝しないでいつするんだよ、と。センバツの内容を見る限り、夏も優勝までは届かないと思う。出てきたら、また間違いなく、優勝候補に挙げられるんだろうけど(かと言って、大阪桐蔭の連覇も無さそう。根尾ないし他の投手の成長次第とはいえ)。


 で、問題はここから。

 ということで、一度は大阪桐蔭を◎に。
 ここもたいがい有力な優勝候補に挙げられているけれど、それでも上記2校(注:履正社&早実)や日大三などに比べればやや地味。やはり大阪大会で履正社に敗れ3位、秋季大会でもベスト4止まり、といった成績のせいか。
 しかし、大阪桐蔭が優勝するのは、押しも押されもせぬ優勝候補の年よりも、今年のように、地区大会で苦杯を飲んだようなとき。
 また、根尾昴ら優秀な2年生が、3年生になる来年は、今年の履正社のように下馬評が高騰することは明らかで、そうなってから優勝予想に入れるより、敢えて多少は存在感の薄い今年に……という思いもチラついた。

 しかし、正捕手の骨折離脱は痛過ぎる。主力の抜けた穴を埋めるべく結束……といった展開はありがちですが、さすがに結束しても埋めがたい穴ではないでしょうか。代役が昨春まで捕手だったとはいえ今は一塁手というのも、普段は問題なくても、土壇場でブランクが響きそうで怖い。

 これが勿体なかったなー。
 大阪桐蔭は今大会でも優勝候補に推す声は少なくなかったけれど、上の3校の存在もあって、普段よりは影が薄かった。今夏はもちろん、上にも書いたように、有望な2年生世代が3年になる来年の春夏は、間違いなく押しも押されもせぬ優勝候補最右翼になるはずで、そうなってから優勝予想に挙げるにはあまり面白くない。なので、大阪桐蔭を予想に入れるなら、今大会がベストなタイミングだった。

 でも、正捕手が直前で離脱したら、さすがに優勝予想に入れるとか無理。ましてや代役の福井が、土壇場でブランクが響くどころか、盗塁をバンバン刺すわ、準決勝・決勝と巧い配球で徳山の好投を導くわと大活躍するとか……。しかし福井はこれだけの力を示しながら、正捕手が復帰したら、また一塁手に戻ってしまうんだろうか。
 また、決勝のところで書きそびれたのでここで書くのだけど、大阪桐蔭は二遊間の守備も素晴らしかった。ショートの泉口なんて、根尾のあおりを受けて、背番号6なのに半ば控えみたいな扱われ方をしていたけど、あの守備範囲(根尾はまだ、身体能力に任せた守備といった感じがする)。


 ただ、ベスト4止まりとはいえ、秀岳館は個人的には良い予想だったと思ってます。優勝した15年夏の東海大相模を除けば、これまで優勝予想に入れたチームの中では最高成績じゃないかな?

 が、平沼、村上と春は好投手1人でどうにかなるケースも多いとはいえ、やはり複数の好投手がいるのは強み。加えて、水準以上の打線に高い全国レベルでの経験値。
 さらには「昨夏(春)○強のメンバーが多く残る」という、本来なら下馬評が高くなってもおかしくないセンテンスにも関わらず、この存在感の無さ。これはもう、本命に推すしかないでしょう!(笑)

 秀岳館は太字の理由がありながら、センバツ予想でチラっと検索してみても、かなりスルーされていた感がある。たしかに九州大会ベスト4止まりとはいえ、普通に考えて、もっと名前が挙がっておかしくないと思うんだけど。
 

 仙台育英は、1回戦負けも想定していたにも関わらず、消去法的にベスト8に入れたのは既述の通り。にも関わらず、さらには優勝予想に入れることはなかったかもしれない。
 好投手複数という重要な要素に加えて、正捕手で四番の尾崎が、驚異的な回復力でセンバツに間に合った、というニュースが、あまりに好材料に見えてしまった。なまじ大阪桐蔭を正捕手不在で予想から外していただけに……(笑)
 
  静岡に関しては、秀岳館、仙台育英が継投重視のチームということで、エース偏重のチームも1校入れたくての選出(もちろん、同じブロックの強豪・大阪桐蔭を優勝予想から外した影響も大きい)。
 センバツも14年の決勝が平安と履正社ということで、水準以上の投手を複数枚がトレンドになると思いきや、平沼の気比、智弁の村上と、エース1枚で優勝する年が続いたし。
 ただ、今大会に関しては、投高打低にならなかったので、完全に目論見から外れてしまった。

 
 ベスト8の4校的中は、昨年の1校だけに比べれば改善(14年、15年は5校的中)。優勝予想に挙げたチームの最高成績は、ベスト8は何度かあったものの、ベスト4はセンバツでは最高。
 そして勝敗予想の正解率も、なんと今大会が最高だった(昨年は20/31、14年と15年は22/31)。

 なので、結果的にセンバツでは最も予想成績が良かった大会ということになるのだけど……今大会はそんなに身を入れて試合も見れなかったし(各試合の感想とか、例年に比べて明らかに雑になってるでしょ)、あんまり手応えが無いのが本音(笑)


 そんな感じです。それではまた夏も、似たようなことをやると思うので、ご興味のある方はよろしくお願い致します。


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【勝敗予想結果】  
23勝8敗 (勝率.741)
 1回戦:13勝3敗 
 2回戦:4勝4敗 
 準々決勝:4勝0敗
 準決勝・決勝:2勝1敗 

【優勝校予想結果】    
◎:秀岳館……ベスト4
○:仙台育英…… 1回戦敗退    
▲:静岡…… 2回戦敗退

【ベスト8予想結果】      
1.履正社…… 当たり 
2.盛岡大付…… 当たり 
3.前橋育英…… 2回戦敗退(正解:報徳学園) 
4.福岡大大濠…… 当たり
5.仙台育英……  1回戦敗退(正解:健大高崎)
6.秀岳館……  当たり 
7.早稲田実業…… 2回戦敗退(正解:東海大福岡)
8.静岡…… 2回戦敗退(正解:大阪桐蔭) 

【2017センバツ記事まとめ】         
 1回戦勝敗予想(、 )/  優勝予想・ベスト8予想  
第1日・第2日/  第3日/ 第4日・第5日&2回戦予想①/ 
第6日&2回戦予想②第7日ー第9日準々決勝予想
第10日&準決勝予想
 
 
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