「機動戦艦ナデシコ」の全話感想もこれで完結です。
 この記事を始めた当時、並行して「ガンダムW」を見ていたので、ナデシコが終わったら次はWの全話感想を書こうかなーとか思ってました。でも、あまりに話がつまらな過ぎて、DVD6巻あたりで挫折。あれが人気で、「X」がマイナーとかおかしくない?

 ということで次の全話感想シリーズは、「黄昏乙女×アムネジア」になる予定です。

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・過去の感想記事

視聴終了時の感想(ネタバレ無し)

#1-2 #3-4 #5-6  #7-8 #9-10 #11-12 
#13-14 #15-16 #17① #17②-18 
#19-22 #23-24 


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#25:『私らしく』自分らしく
#26:『いつか逢う貴女のために』


 まさかのブン投げEND。謎が全て明かされないのも良いし、戦いはまだまだ続く……でも良いんだけど、それにしたってねえ。ラストのルリルリのナレーションの開き直り具合が酷い。
 wikipediaによれば、

物語自体は、激化する戦争の結末や古代火星文明の謎などを描かないまま終了している。戦争の結末は、その後に公開された劇場版やゲームで補完されてゆく事になるが、謎は謎のままで残った部分も多い。これは、ストーリーエディター・會川昇が「考えられる要素を全て入れて」執筆した第25、26話脚本初稿の分量が通常の1.5倍から2倍にまで膨れ上がってしまい、「ユリカとアキトの決着だけはつける」という佐藤竜雄監督の方針により謎の説明の大半がカットされたためである。

ということですが、それにしたってもっと良い締め方はなかったでしょうか。


 アキトがまだ見ていなかった「ゲキガンガー」の最終回が、何か物語の鍵になるかと思ったのですが、そんなこともありませんでした。木星人たちの知らない幻の最終回があって、そこでは最後の最後に劇中の敵味方が和解。それが木星と地球の和平につながる、みたいな。
 実際は特に話に絡んでくることも無く、最後に軽くアキトが感想を語るだけ。

 また、アキトのゲキガンガー最終回の感想というのが、ひどい話だったけどゾクゾクした、というようなもの。これはアキトが、「ゲキガンガー」のアニメとしてのは面白さは認めても、そこにある精神自体は否定したまま、ということです。

 勧善懲悪というのは実は一面的なな正義の押し付けで、本当はそれぞれに正義がある、というのは正しいと思います。なので、昭和のスーパーロボットに思い入れのない私としては、24話の展開はかなり納得のいくものでした。
 とはいえ、ここまで全26話を貫くギミックとして使われてきたものだけに、そのまま否定されっぱなしではあまりに寂しい。やはり一旦落とした後で、もう一度揺り戻しがあってほしかった。
 私が一連のナデシコ感想を書くにあたって参考にさせていただいている、「ひげどっとこむ。」の管理人さんは、ゲキガンガーのパロディ元である70年代スーパーロボット系アニメのファンということで、こうした描かれ方について、たいへん激怒しておられました。ま、そりゃそーだよねぇ……。

 古いスーパーロボットの精神の否定が、製作者のメッセージだったんでしょうか。まあ、そういうアニメにするのもありでしょう。
 でも、曲がりなりにも戦争を描いているという事実と、ナデシコのおちゃらけた空気感を架橋していたのが、外連味溢れるゲキガンガーだったんじゃないかと。ゲキガンガーこそが、戦争しているとはとても思えないナデシコの空気を、正当化し得る存在だったのではないかと、そう思ったりもするんですよね。

 なのでやっぱり、過程はどうあれ最後は、ゲキガンガーの精神が希望になるようなアニメにして欲しかったなあ、と。
 だいたいこれじゃあ、ゲキガンガーを深く愛し、そこに描かれる精神を信じたまま死んだ、ガイがあまりにも報われないじゃないですか。

 
 また他には、イネス=アイちゃんという設定も、正直どうなのかなと。
 別にそれ自体は悪いとは言わないけど、そういう話に持っていきたいのなら、それ相応の伏線や描写の積み上げというものがあるんじゃないでしょうか。アイちゃんを折に触れて回想で出すとか。
 そもそも、あの人の正体が実は……!?をやるには、イネスは脇役に過ぎます。「説明おばさん」として存在感こそあったといっても、それはあくまでサブキャラとしての面白さであって。
 メグミに代わって三角関係の一端を担うくらいでないと、最終盤で正体が明かされてもなー、というところです。


 ついでに、アカツキやエリナの行動や思考も、あまり一貫せず、結局何がしたかったのか……。
 それにしても、アキトとアカツキの戦闘シーン、しょぼかったなあ……。このアニメ、ロボットアニメのくせに、戦闘が面白いと思えたことが、一部除きほとんどありません。それもそれで凄い……。


 全体のまとめは、概ねここで言い尽くしているので書きません。ただ、劇場版である「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」のwikipediaの記事において、
 
加えてTV版ではスケジュールの関係で制作が駆け足だったことや、内容のウケ狙いに走りすぎ、「遊びすぎた」という反省点の元で立ち上がっている。プロデューサーの大月俊倫自身がもう少しシビアな内容を期待していたことと、(スタッフ内でもコメディ部分自体はアリとして)シリアスな場面も納得できる描き方をして欲しいという要望から、作品の総決算として制作された。

とあり、真面目にやるべきところは真面目にやって欲しかった、という私の感想そのままで、自覚はあったんだねえ……とちょっと笑ってしまいました。 
 

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