ひなこのーと

#2:ここからはじまる


 冒頭の回想シーンにおける、幼少期のひな子の声(というか演技)が、どこか聞いたことあるような、それでいてなんか違和感があるように思ったのですが、現在と配役が異なり、かつ子役が起用されていたのですね。子役特有の演技だから聞き覚えがあって、かつ本職の声優でないため違和感があったわけだ。
 しかし、声変わりのある男ならともかく女の子だし、現在も高校生程度の年齢なのに、わざわざキャストを変えるのはなかなか珍しいような。後述するように、他のキャラの幼少時代も子役が演じていたので、監督とか音響監督とかのこだわりがあるのかもしれない。


 動物に好かれ、立っているだけで動物を引き寄せてしまう性質の持ち主であるひな子。上京する前はその体質を活かし、よく近所の畑で案山子の代わりになっていた。動物がひな子の下に集まるため、結果的に畑が荒らされずに済むのだ。案山子の役割は、動物を畑に近づけないことのはずなので、本当は逆なんだけど。
 そのことで農家のおじさんおばさんから感謝され、お礼に野菜を貰うものの、人見知りで口下手なひな子は満足にお礼も言えない。そこで、自分に近づいてきた動物を相手に見立て、一人二役でお礼を言う練習をしていたのが、彼女の芝居のルーツ……みたいな話。

 この、“動物を引き寄せてしまう性質の持ち主で、生まれた田舎では案山子の代わりになっていた”という設定は、この手の複数の女の子が集まってキャッキャするタイプの作品は枚挙にいとまがない昨今、何とかユニークな要素を、と無理して捻りだした感がすごい(笑)
 

 話は現在に戻って、せっかく上京して入学した高校の演劇部が休部になっていると知ったひな子。下宿先の大家(女子高生)であり、休部した演劇部の元部員であり、舞台役者の娘で自身も幼少から舞台に立っていたという千秋に勧められ、下宿先「ひととせ荘」の住人達と、小劇団を立ち上げることになります。
 この大家さん、中性的な風貌ですらっとした長身。性格は大人しくクールで声のトーンも抑えめというよくいるタイプのキャラクターのようでいて、この手のキャラにありがちな、周囲から一歩引いた位置に自分を置いていたり、あまり積極的にコミュニケーションを取りに行かない受け身なスタンスだったりせず、わりと率先して話を進めていくのがちょっと新鮮かもしれない。本当に、声が大人しいだけという感じ(笑)

 この子の幼少期の回想シーンもちょっとだけあって、前述のとおり、その幼少時代を演じるのも現役の子役。ただこちらは、それなりに声優のキャリアも積んでいる人。「甘々と稲妻」(私は最初の数回しか見なかったけど)のつむぎ役ということで、1クール分主演を張ったわけだから立派です。
 一方で、「セイレン」(こっちも最初の数回しか見てない)でもモブとして出演しているらしいんだが、園児姿のヒロイン(JK)がお漏らしして泣いている姿を妄想して勃起するような主人公が出てくる変態アニメに、11歳の子供を出演させるのは如何なものか(笑)

 
 こうして立ち上がった「劇団ひととせ」。目標は、下北沢のスズラン劇場の舞台に立つこと。やっぱり小劇団にとっての聖地は、下北沢になるんですかね。いかにもサブカルの街ってイメージだよね。私も一度下北沢に、知人の舞台を見に行ったことありますよ。 



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