今季見ている数少ないアニメの感想その2。と言っても後述するように、この間huluで一気に見たんですけど。
 こちらもネタバレはほとんど無い(ほのめかしはあるのでゼロとは言えない)ので、どちらかというと紹介に近い感じ。



 西尾維新原作小説のアニメ化。
 00年代以降の二次元カルチャーを語るうえで、重要人物の1人であろう西尾維新ですが、私は彼の作品群にまともに触れたことがほとんどないのですよね。「めだかボックス」のアニメの2期くらい。
 西尾維新なんて、まさに直撃世代なはずなんですが。クビキリなんちゃらとか、みんな読んでたよ。物語シリーズもノータッチだからなあ……。

 さてこの「十二大戦」も、「めだかボックス」と同様、異能力者たちのバトルアニメです。
 アニメなので関係ないですが、公式サイトの解説を見る限り、異能力の名称にカタカナのルビが振られているタイプのやつ(笑)

 干支の生き物に擬した12人の異能力者たちのバトルロイヤル。最後に残った1人は願いを叶えられるんだって。なんか聞いたことのあるような気もしますが、まああの界隈はみんな同じようなセンスだから……。

 1クール(おそらく)で12人の殺し合いということで、かなりハイテンポにサクサク退場していきます。6話まででもう半減している。
 バトルものにおいて自分語りの長い奴は死ぬ、というお作法を忠実に守り、使い捨てのように次々にキャラクターが死んでいく様は、いっそ清々しさすらあります。

 話数に対して出場者が多すぎるバトルロイヤルと言うと、最近だと「魔法少女育成計画」を思い出しますが、あれは曲がりなりにもストーリーもののアニメを描こうとしていた(ように少なくとも私は受け止めた)ために、キャラクターの多さなども足を引っ張ってなんだか微妙な出来になってしまっていました。
 主人公が物語を通して、何もしないしほとんど変化(成長)もしないというのも良くなかったです。

 それに対して「十二大戦」は、まず話の中心になる主人公的なキャラクターがいません。よって誰かの目を通して物語が描かれるというよりは、ひたすら俯瞰的に状況が積み重ねられているだけといった感じ。
 しかしその割り切りぶりゆえに、キャラクターが適当に過去を語ってバタバタ死んでいくような点はさして変わらないにも関わらず、魔法少女育成計画と違って気にせず見れます。
 まほいくの上述のような主人公の問題(それはそのままストーリーの問題と言えるでしょう)も、そもそも主人公がいないなら関係ないわけです。
 まあ、実質的な主人公の不在のせいで、このアニメが終盤に向けてどう動いていくのかさっぱり想像できないのは気になりますが。

 いや、一応主人公っぽい目的を持って戦いに臨むキャラクターもいたのですが、中盤でなんかあっさり退場しちゃうんだよね。
 その人と行動を共にしていた奴が、主人公っぽいポジションと言えなくもないのだけど、別に6話まで見るに彼を中心にストーリーが展開するわけでもなく、また彼自身に主人公らしい目的意識があるわけでもないので何とも言えず。

 そういうわけで、凄い面白いわけじゃないけど、気楽に見るぶんには良いです。ストーリーもへったくれもなく、長々と自分語りをしたやつから死んでいくというシンプルな構成なので。
 たまに散々1人で色々喋ったのになかなか死なないという変化球もありますが、それも結局は、「あれ、死なないのかな?」と思わせておいて、結局は「やっぱり死ぬんかーい」となるので、やっぱりシンプル(笑)

 気楽に見られるので、作業用アニメとして、ソシャゲの周回とかしながら見るのにお奨め。かく言う私も、マギアレコードのイベントを走りながら一気に6話まで見ました。

 もっとも、「必爺」(ひつじぃ=羊)、「砂粒」(さりゅう=申)、「庭取」(にわとり)といったネーミングセンスや、戦士同士の戦う前の名乗りの、どうしようもないダサさを笑って受け流せるなら、ですけれど(あれが狙ったダサさなのか、西尾維新のセンスなのかは私にはわかりません。まあ、好き嫌いは人それぞれだから……)。

 個人的には、ビジュアル的に気に入っていた(と言っても作中で選ぶなら、という程度の話ですが)キャラが、わりと早い段階で脱落してしまったのが、ちょっと残念ではあります。それもあって今では、ほとんど野郎しか残っていない……。




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