第11日(準決勝)の答え合わせと感想です。



・第11日(4/3)

東海大相模10ー12智弁和歌山……当たり
 準々決勝が11-10、準決勝は12-10、とてもセンバツの試合とは思えないスコアで智弁和歌山が勝ち上がった。

 予想で先発は平田で行くしかないと書いたが、実際には2年生の池田。しかし結局ワンアウトも取ることができず、5人で平田に交代した。
 決して投げている球が悪かったとは思わない。特に先頭の1番、2番に打たれた球はそれなりに良いところには投げられていたとは思う。単純に、東海大相模の実力が上だったということだろう。

 初回からいきなり4失点。今度こそワンサイドになると思ったが……前にも書いた通り、準々決勝でもこれで創成館の勝ちだろうという場面が5度はあったのを跳ね除けた智弁和歌山打線。この試合も冷静だった。まったく慌てることなく、東海大相模先発の野口の低めの変化球をしっかり見極め攻略し、4回の集中打で逆転に成功した。

 しかし5回、ここまで良く投げて試合を立て直した平田が2ランを浴び、再び逆転を許してしまう。
 追い込んでから中腰の捕手に高めのストレートを見せ、低めのチェンジアップで三振を狙いに行く配球だったが、そのチェンジアップがかなり高めに行ってしまった。高めに目付をさせたところでそんなボールを投げたら、打ってくださいと言っているようなものである。
 
 さらに6回には、3つのエラーが重なり4失点。そのうち、前進守備で強いゴロを後逸した西川はある程度仕方がない面があったと思うが、それ以外は擁護しようがない。特に3点を失った後の林の平凡なサードゴロ悪送球は余計。
 林は今大会、初戦で豪快なランニングスローを見せていて、良い守備をするなと思っていたのだが、その後は結構守備のミスが目立つ。身体能力だけでプレーしている感じなのかもしれない。

 何にせよ終盤で5点差は重過ぎる。これでもう終わっただろうと思ったが……。
 7回に1点を返すと、8回には林のあわやホームランかという豪快なタイムリーで2点。ただ、あの当たり二塁まで行けず、2死一塁になったので反撃もここまでかに見えた(プロでもなし、ホームラン確信歩きをしたわけでもないだろうが……)。
 ところが四球が続きランナーを溜めると、黒川のタイムリーで同点に。四球の直後の初球を狙い、低めに投げ切れなかったチェンジアップをしっかりと打った見事な打撃だった。
 なお黒川は10回にも、1点を勝ち越した直後に貴重なタイムリーを打っている。平田は170球近く投げて限界が近そうだっただけに、これは大きかった。


 正直、4回に集中打で野口を攻略して逆転した時点で、私は半分くらい満足していた。

 もともと智弁和歌山の方が圧倒的に不利だと思っていて、かつ初回からいきなり4点を奪われる展開。このままズルズルと、ワンサイドゲームになるんだろうなあ……と思っていたところ、東海大相模の安定した投手陣相手に5点を奪い、一度は逆転したのだ。
 仮にこの試合で負けても、優勝予想に入れた甲斐はあったかなと。リードしているとはいえ、途中からエースの斎藤が出てきた東海大相模と、初回から平田が投げている智弁和歌山を比べれば、有利なのはなおも東海大相模だと思っていたので。

 そして実際に逆転を許し、ミス絡みとは言え5点差にされたにも関わらず再び同点に。
 野口だけでなく、斎藤も攻略。本当に素晴らしい。これでもうお腹いっぱい。平田と斎藤の余力の差、東海大相模の後攻といった要素を思えば、同点なら依然有利なのは東海大相模のはず。
 同点にした直後の8回裏、相手の盗塁を刺すなどもあり三者凡退と良い流れで抑えたにもかかわらず、9回表の智弁和歌山も簡単に攻撃を終えてしまった時点で、もう十中八九東海大相模の勝ちだろうと思った。
 そして東海大相模は、次の決勝で大阪桐蔭にあっさり敗れるだろう。何故なら準決勝の智弁和歌山戦で激しく消耗させられたからだ。智弁和歌山はそういうかたちで今大会に爪痕を残す。それで良いじゃないかと。
 9回、170球近く投げる平田を見ながら、もうどうせ東海大相模が勝つんだから、とっとと楽にしてやってくれと思っていた。

 だから、この試合をものにしたことについては言葉が出ない思いだ。
 そりゃ、智弁和歌山が勝つには乱戦に持ち込むしかないとは書いたし、平田先発しかないとも書いた。実際、事実上完投した平田の責任に帰される失点は、逆転2ランの2点だけ。東海大相模に攻められた印象が強いが、四死球が多かっただけで、実は4安打しか打たれていない。
 そういう意味では、試合前の見立ては当たっていたと言って良いと思うのだが、しかしこんな試合になるとは。普通、3つのエラーで5点差になった時点で試合は壊れジ・エンドだ。もうほんと、素晴らしいです。 


大阪桐蔭3xー2三重……当たり
 こちらも「あわや」という試合になった。好調の投手陣が踏ん張り、先制してここまで一度もリードを許していない大阪桐蔭に追いかけさせる展開にすれば、勝つチャンスが出てくる。まさにそういう展開になった。

 追いかける側にまわった大阪桐蔭は、定本を打ちあぐね、バントでミスが連発するなどらしくないプレーも散見された。相手に主導権を握られるなか、淡白になり淡々と凡退を重ねる……格上の強豪校の負けパターンの典型的な展開になりつつあるように見えた。
 私はもう第1試合でかなり満足してしまって、第2試合は録画を再生しつつ、ほとんど別の作業をしていたのだが、第1試合と違ってサクサク試合が進んでいった印象がある。「えっ、もう○回なの!?」的な。
 
 しかし土壇場で追いつき、延長戦の末タイブレーク直前でサヨナラ勝ち。このあたりの粘りが出るのは、やはり昨夏の悔しすぎる敗戦があり、また神宮でも創成館に敗れ秋の日本一を逃したからこそだと思う。
 根性論は時代遅れだし、精神力があれば150キロが投げられるわけでもホームランが打てるわけでもないが、それやはり高校生がプレーをする高校野球においては、メンタルのウェートは大きいと思うのだ(誰だって、自分の思っていたようにことが運ばなかったり、失敗がでたりすると、不貞腐れてその後の行動が雑になったことくらいあるでしょう。良い大人だってそう。ましてや高校生なら)。




【2018センバツ記事まとめ】
優勝予想・ベスト8予想
1~2回戦勝敗予想:
第1-2日第3-5日/3回戦勝敗予想:
第6-7日第8-9日準々決勝予想第10日
準決勝予想第11日

※2017夏甲子園記事


【勝敗予想結果】
23勝11敗(第11日終了時点)
 1回戦:3勝1敗
 2回戦:9勝7敗
 3回戦:6勝2敗
 準々決勝:3勝1敗
 準決勝・決勝:2勝0敗

【優勝予想】
◎:智弁和歌山……ベスト2
○:創成館……ベスト8○○●
▲:日大三……2回戦敗退○●

 
【ベスト8予想】
A:静岡……3回戦敗退○●(正解:東海大相模)
B:明徳義塾……3回戦敗退○●(正解:日本航空石川)
C:智弁和歌山……当たり○○
D:創成館……当たり○○
E:大阪桐蔭……当たり○○
F:東邦……2回戦(初戦)敗退●(正解:花巻東)
G:日大三……2回戦敗退○●(正解:三重)
H:星稜……当たり○○




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