先日平常運転に戻ると書いてからだいぶ空いてしまい、これが平常運転なのかよという声が聞こえてきそうな今日この頃。

 とりあえず、待望の新アニメ、『シュタインズ・ゲート ゼロ』の感想でも……といいつつ、半分以上が、シュタインズ・ゲート再放送の話になってますが(笑)



#01:零化域のミッシングリンク

  第1話を見てまず思ったのが、先月まで同じ時間帯に放送されていた、『シュタインズ・ゲート』の再放送を見ておいて良かった、ということ(笑)

「ゼロ」はアニメ『シュタインズ・ゲート』(以下面倒くさいので「無印」としておきます。無印は原作ゲームでは?という気もするけど、便宜上ね)の23話において、岡部が牧瀬紅莉栖を救うことを諦めてしまった世界の物語。

 23話で岡部はクリスが殺されるのを阻止するため、タイムマシンで過去に飛んだものの失敗。あろうことか、自分の手でクリスを刺して殺してしまいます。
 そのショックで岡部の心は折れてしまったものの、本来の23話では、まゆりのビンタで活を入れられ、さらに未来の自分からのビデオメッセージを見て、もう一度クリスを助けるために過去に飛ぶことを決意。
 そして24話で無事助けることに成功し、無事ハッピーエンドを迎えます(……と一筋縄でいかなかったことが明らかになるのが劇場版『負荷領域のデジャヴ』で語られる話なのですが、それはまたいつか)。

 それに対し、何年か前に再放送されたときの23話では、やはりクリスを刺してしまい絶望する岡部に対し、活を入れようとするのは鈴羽。それをまゆりが、未来を変えるという行為を岡部1人に背負わせるのは重すぎると制止したのでした。
 こうしてクリスを助けるという過去改変は行われず、岡部はラボから距離を置き、合コンにも参加するような普通の大学生としての生活を送り始めるも……というところで再放送版23話は終了。
 先月までやってた再放送も、やはりこっちのバージョンとなっていました。

 これが「ゼロ」の世界につながる物語で、再放送でのストーリーの改変は、ゲーム版『シュタインズ・ゲート ゼロ』の発売に合わせた販促プロモーションでもあったようです。
 これはまったく予告なく行われ、再放送を見ていた人は驚いたし、私のような再放送をスルーしていた人間は後悔したのでした。

 で、こうした事情を踏まえずに、「シュタインズゲート? 昔アニメ見てたなー。続編やるんだ。じゃあ見てみよっかな」くらいのつもりで「ゼロ」第1話を見ると、まったく理解不能だったと思います。

 なので、再放送をちゃんと見ておいて良かった(笑)
 もう7年前に見たきりで、大まかな内容は覚えていても細かいところは忘れてるなあ……くらいの気持ちで見始めたのですが、実際には細かいところどころか、ほとんど覚えてなかったので(笑)
 ラストにしても、岡部自らクリスを刺してしまう、という衝撃のシーンすら再放送を見るまで忘れていたくらい。
 そもそも1度失敗して、戻ってきて2度目で成功する、というプロセスを踏むことすら記憶になかったですし。
 未来の岡部からビデオメールが届くというのは、いい年してまだ中二病なのか!という面白さも含めて印象的なシーンだったので覚えていたんですが。それにしてもあの辺の流れの熱さは、曲の良さも相まって本当に神がかり的だと改めて。

 もっとも、それなら再放送版の23話だけを見れば良く、もっと言えば、上記の事情を知識として知っておけば充分だったかもしれない…………のですが、個人的には頭からちゃんと見ておいて良かったなと思っています(ついでにツタヤでわざわざDVDを借りてきて、本来の23話~24話と、劇場版も見て正解だった。再放送版だけだと後味が……笑)。

 例えば中盤、まゆりを助けるためとはいえ岡部は、様々な人の思いを犠牲にしていきます。過去改変して女になったルカ子に、岡部への恋心を封印しなくてはいけない男として生まれる世界に戻ることを、またフェイリスには父親が事故死する世界へ戻ることを強いることになるのです。
 岡部がまゆりを助けるために「Dメール」による過去改変を取り消していく……という筋は覚えていたのだけど、今回見返してみて、こんなにシビアな内容だというのはすっかり忘れていました。

 この一連の話をちゃんと覚えていなかったら、「ゼロ」で第三次世界大戦の起こらない世界にするため、過去を変えるよう説得を続ける鈴羽に対し、過去に飛ぶことを頑なに拒否する岡部の心情は、少し理解しづらかったかもしれないです。

 また再放送を見返して何より思ったのが、自分の記憶より遥かにクリスが良いヒロインだったということ(笑)
 ツンデレで根は生真面目で、天才科学者としての側面を持ちつつ年相応の可愛らしい面もあり、そして何より、孤独に戦う岡部に手を差し伸べる際の頼もしさと、まゆりを助けるために自分が死ぬ世界線に移動することを受け容れる健気さ。本当に素晴らしい。

 そんな彼女を誤って自らの手で殺してしまった時の、岡部のショックがいかに大きかったか。
 それを慮るには、曖昧な記憶をあらすじを読んで補うだけでは不十分だったと本当に思います。




 前置きが長くなりましたが、以下本編の感想。

 とりあえず、ついに登場した鈴羽の母親=ダルの(未来の)嫁の由季さんが可愛すぎてビビります(笑)
 (実は劇場版でも写真だけで登場するけど、私は『ゼロ』の1話を先に見たので……)
 また「無印」でも、まゆりのコスプレ友達として名前だけ登場していたかなと思ったけど、そっちは見返したら違う名前だった。

 鈴羽はラボにいて、父親にタイムマシンの研究をするようせっついています。父親がちゃんとタイムマシンを開発しないと、未来に影響が出てしまうためでしょうか。

 また未来への影響という点を考えれば、鈴羽は当然、由季がラボにやってくると身を隠すのですが……なんと既に面識ができてしまっているようで。ダルの妹と認識され、気に入られてしまっているとか。
 そんな2人の関係性に微笑ましいものを感じていたのも束の間、未来の世界で由季は、娘を機銃掃射から庇って死に、鈴羽はその血を浴びながら母親がズタズタになっていくのを見たという凄惨な話が、鈴羽本人から語られるわけです。このあたりの唐突な落差はいかにもシュタゲらしい。
 
 岡部は再放送版23話の最後で、多少立ち直ったかのように見えたのだけど、未だにかなり引きずっている様子。ラボとはすっかり距離を置き、鳳凰院凶馬という設定も捨ててしまっています。
 それどころかゼミに所属し、さらにはリア充の巣窟の代名詞たる(?)“大学のテニスサークル”に入り合コンに参加しているという……(それを聞いて驚いた際のフェイリスの、「ポカーン」のAAみたいな目、このシリーズはコメディシーンはあっても、こういうギャグ的な表現はしないアニメだったのでちょっと新鮮でした)。

 かつての姿を思うとギャップが凄いけど、もともと中二病キャラは演じているもので、根っこはわりと常識人かつ普通人というのは「無印」でも明らかだったので、こうして普通の生活にそれなりに溶け込めてしまってもおかしくないのかも。

 後半では、新キャラ比屋定真帆と、桐生萌都が登場。
 そして真帆や、生前にはクリスも所属していた研究所が、クリスが遺した理論を元に、記憶のデータ化と、それをベースにした心を持つAI「アマデウス」を開発したと発表したところで終了です。

「無印」で開発されたクリスのタイムマシンは、電話レンジで人を過去に送るにはデータ量が大き過ぎるという問題を、データ化した記憶だけを過去の脳に飛ばすというかたちでタイムリープを実現することで解決していました。
 それがかなりあっさり完成した印象を受けたのだけど、その背景には、クリスが記憶の研究について、理論段階とはいえかなり革新的なものを既に作り上げていたことがあったのか、と今回ようやく納得しました。

 ただ、再放送版23話やアニメのPVなどを見るに、このアマデウスの姿形というのが……なので、そこまで見せてから切った方が、インパクトの強い引きになったんじゃないかな?


 そんな感じで、物語の動きだしとしては、多少スローペースな気もするけれど、まあ無印の序盤もそんな感じでしたしね。
 公式サイトの「STORY」を見るに、今回もたっぷり23話までやるようなので、同じ千代丸作品でもカオスシリーズのアニメ2作のような残念なことになることもないでしょう。これから約半年、1週間の楽しみになりそうです。 

 あとどーでもいいけど、まゆしぃの胸がかなり巨大化してるような……。半年で成長したの?




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