『シュタインズ・ゲート ゼロ』感想を、3話から6話まで一気に。4~6話はまとめて扱う雑な感想で恐縮です。

 なお記事中では、テレビアニメ1作目のことを便宜上「無印」と称しています。

 また紅莉栖のことは、建前上は可読性の問題を考えて、本音としては変換が面倒くさいので、基本的にクリスと書いています。
 可読性という点では、「かがり」も「カガリ」としたいところなのですが、そうなると「まゆり」も「マユリ」としなければならず、何となくそれは嫌なので、結局「かがり」と表記しています。

 ……じゃあ紅莉栖も紅莉栖って書けよって話なのですが(実際ひらがなの名前の方が、文章に登場させるとより読みづらいのだし)、まあそれはクリスティーナのクリスってことで。



#03:双対福音のプロトコル
 岡部とクリス(アマデウス)の、「無印」を思わせるようなコミカルなやり取り、ラボメンのクリスマスパーティに教授&真帆も参戦、と全体的に和み回なのかなと思ったのですが、ラストで一気にシリアスになりました。

 完璧にクリスの反応や思考を再現しているアマデウスとのやり取りを重ねていくうちに、岡部は本当にクリスと会話しているような錯覚を抱いてしまいます。
 そのことを危険視した真帆に突きつけられる、クリスはもう死んだのだという厳然たる現実。しかしそれは、岡部の深いトラウマを抉り出してしまうもので……。

 まああれだけリアルだと、AIであることを忘れてしまうのは仕方ない。
 もしこの技術が本当に実現し一般に浸透したら、恋人なり家族なり、死んでしまった自分の大切な人の記憶で作ったAIとのやり取りを会話することで、死んだという事実を直視せず、いつまでも前に進めない……というような人が続出してしまうでしょう。

 人間の記憶をデータ化し、それを用いてAIで人間の心を再現する、というのがアマデウスのコンセプト。
 それは単純に、複雑な人の心をいちいちプログラミングで作り上げるよりも、人間の記憶をそのまま使った方が圧倒的にラクだからでしょう。人のというの心はほとんど記憶とイコールだろうから。まあ現実には、その人間の記憶のデータ化、というのが果てしなく難しいのですが。

 しかしそれが、人の生死にまつわる倫理的な問題につながっていくというのは面白いです。
 昔クローン技術に関するテレビ番組で、技術が確立したら幼くして死んだ我が子にまた会いたい、と語る夫婦の話を見たことがあるのだけど、アマデウスの倫理問題はそっちに近い印象。


 ただ真帆も研究の過程で、岡部と同様にアマデウスとクリスを錯覚しそうになったことはきっとあったはず。
 それにクリスの記憶を用いたアマデウスの研究に携わり続けていること自体、上の子供を失った親と同じような気持ちがあるとまでは言わなくても、クリスの死を消化し切れていないところがあるからこそなのでは。
 そもそもAI開発のためだけならクリスの記憶である必要はないわけで(実際”真帆ver”も登場したし)。
 もっともクリスの記憶で開発を進めていること自体は、真帆の意志とは無関係かつ、基礎理論を遺したことへの敬意とかそれらしい理由あってのことなんだろうけども、別にプロジェクトを降りることもできない訳じゃないんだろうし。

 なので岡部に対する真帆の説教は、その実自分自身に言い聞かせている(あるいは過去の自分と岡部を重ねている)ところもあるんじゃないのかな、と思ったりします。
 

#04:
亡失流転のソリチュード
#05:非点収差のソリチュード
#06:軌道秩序のエクリプス
 椎名かがり登場編。そして物語はいよいよ大きく動き始める……というところでしょうか。

 ここまでのゼロは、展開が無印以上に緩やかなこともあってか、微妙に退屈な部分があったことは否めませんでした。
 アマデウスの話となるとどうしても、まゆりやラボメンが蚊帳の外になり、代わりに出てくる真帆が、ヒロインという点ではイマイチ私の琴線に触れないことも大きかったかな。
 一応「合法ロリ」属性持ちということにされていて、ダルがやたらとその部分を強調していたりするのだけど、個人的には合法ロリで押していくには、主にビジュアル面の可愛さが足りないと思う。

 なので、かがりの話になっていくことで、まゆりや鈴羽にスポットがもっと当たるようになるのでは、と期待しています。そんなことを思っていたら、6話ラストで急展開を迎えたしね。

 まあ鈴羽に関しては、私はは「無印」中盤までの、バイト戦士時代の方が好きだったのだけど……。


 ところで、2話の感想でアマデウスの見た目を3DCGで描いている点について触れましたが、その後を見ると、普通に他の人と同じように描いているところもあって、両方を併用しているようですね。
 併用の理由については、重要なシーンであの微妙に出来の悪いCG(これは2009年という舞台設定もあり、敢えてやってるのだと思いますが)だと、変な感じになってしまうからでしょうか。
 でも、ちゃんと頭から見返して整理すれば、もっと別の法則性=演出意図が見えてくるのかもしれません。




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