2018年夏の甲子園、第11日の予想答え合わせです。
・第11日(8/15)
下関国際5-4創志学園……ハズレ
前戦から一転、西は9四死球と乱調。被安打こそたったの3と球の力では上回っていたが、相手の待球戦術もあって球数を投げさせられすぎてしまい、9回に力尽きた……。
というまとめ方を考えていたのだが、この試合の乱調ぶりには、審判が西の派手なガッツポーズに注意を与えた影響もあったようだ。あれでリズムを崩したとか、苛立ってしまった、というような報道もなされている。
注意は初回の終了後をはじめ、再三にわたり、8回にも強い口調で言われたという話である。
私はこの試合は8回あたりからしか見ていなかったのだが、この回に関しては相手の待球戦術に対して、球速を抑えたコントロール重視の投球をすることでうまく対処していたように見えた。
なので、9回にいきなりまた崩れたのでおかしいなとは思ったのだが……。8回終了後の注意は、強い口調で言われたようで、そのせいもあったかと妙に納得してしまった(上の記事では、アンダーシャツを変えたことも原因に挙げられているが)。
ガッツポーズの是非についてはここでは問わない。たしかに西のそれは派手すぎ、あるいは頻度が多過ぎるかもしれない。また、バッターに向けてではなく、後や横を向いてするなどすれば良かったかもしれない。
しかし、(あんまり評判の良い人ではないので言及するのもアレだが)球技ライター大島氏も書いていたが、あのタイミングで伝えることはないだろうとは思う。
だいたいガッツポーズは創成館戦でもやっているのだから(もっと言えば、予選だってやっているのだろうし)、1回戦と2回戦の間にでも指導者や部長に注意を伝達すれば済む話ではないか(それとも、下関国際戦のが特別派手だったのだろうか?)。
いつぞやの専大松戸の投手が、試合中にたびたび二段モーションを指摘されていたときにも書いたと思うが、投球モーションにせよガッツポーズにせよ、それが問題だというのなら地方大会の時点で分かっているはずで、そこを通り抜けてきたのに甲子園で注意されるのはおかしな話だ。
たしかに、全国各地の数多の審判の間で、完璧に見解を統一・共有するのは難しいかもしれない。
が、少なくとも全国大会である甲子園の大会本部や審判団の間で基準を定め、代表校が決まってから甲子園が開幕するまでの間に、それに基づいて事前に注意することはできるはず。
そしてもう一つ問題だと思うのは、創志学園の長沢監督だろう。
彼は神村学園時代からもう15年高校野球の指導者をやっているのだから、そもそもこういうガッツポーズが問題にされうることを想定して、普段からもう少し控えめにするよう指導できたんじゃないか?
もしかしたら監督はそういう感情表現を許容したい人で、ガッツポーズを止めるのは忍びなかったのかもしれないが、試合が始まれば審判の判断が全てなのであり、普段から教え諭しておけば、あの土壇場で審判に注意されてカッとなって本来の投球ができなくなる、なんて悔しい思いを教え子にさせずに済んだかもしれないのである。
さて、わずか3安打ながら5得点で逆転した下関国際。
待球作戦、バントの構えや1球ごとに打席に立つ位置を変える揺さぶり作戦などもあって、まんまと大会屈指の好投手の攻略に成功した。
この人は昨夏のゲンダイに載ったインタビューのせいで、一部(野球リベラル派とでも言うべき層)からの評判は散々だが、選手たちから監督に勝利をという声が口々に聞かれたなんて話もあり、結構慕われているようだ。
荒れていた野球部を再建した熱血指導者という側面もあり、ゲンダイのインタビューだけで速断するべきではないのかもしれない。
ただ、あれだけ荒れていた9回の西に、2点を追う無死満塁からスクイズを命じるといった采配は、結果的に暴投になったから良いものの、バッターは空振りしているわけでどうなんだろう?
興南0-7木更津総合……当たり
点差ほどの差は感じられなかった試合。5点差がついても全然まだわからないと思って見ていた。
予想通り野尻はそこそこ打たれただけに、1回、5回の外野手の好返球が大きかった。あのどちらかで点が入っていたら、試合はもっともつれただろう。
根本への継投のタイミングは、正直1人遅かったんじゃないかなと思う。無死一二塁で四番・塚本のバッティングは完全に打ち損じ。
助けられたと言えば、終盤の得点も相手のミスが絡んだものが多かった。特に貴重な追加点となった3点目は、四球のランナーをバント封殺で送れず、バッターランナーも牽制でアウト。これで2死無走者となったところから、四球と暴投で二塁のチャンスが生まれ、神子が適時打を放ったものだった。
気比戦、興南戦と、野尻は8回途中、100球~120球が限界なのかな。そこから根本にスイッチして追撃をかわしてきたのだが、いずれもかなり点差が開いた場面での交代で、粗削りな投球スタイルを見ていると、この先もっと僅差で継投になったらどうなのかな、という不安はある。
打線は相変わらず、無視一塁では確実に送りに来るスタイル(四番・野尻の時除く)で、昨夏の花咲や一昨夏の作新を思うと寂しい。
せめて野尻が出た後の五番は、クリーンナップなのだし、もう少し作戦に幅があっても良いのでは? まあ野尻がピッチャーなので、走らせづらいというのもあるかもしれないが。
・第11日(8/15)
下関国際5-4創志学園……ハズレ
前戦から一転、西は9四死球と乱調。被安打こそたったの3と球の力では上回っていたが、相手の待球戦術もあって球数を投げさせられすぎてしまい、9回に力尽きた……。
というまとめ方を考えていたのだが、この試合の乱調ぶりには、審判が西の派手なガッツポーズに注意を与えた影響もあったようだ。あれでリズムを崩したとか、苛立ってしまった、というような報道もなされている。
疲労と困惑が入り交じった表情で、初回を投げ終えたときのシーンを振り返った。「ベンチに戻る途中に主審に『(マウンドで)必要以上に吠えたりするな』とか強めに言われて……。苛立ってしまい、素直に聞くことができませんでした。バッターではなく、審判と勝負してしまいました」
注意は初回の終了後をはじめ、再三にわたり、8回にも強い口調で言われたという話である。
私はこの試合は8回あたりからしか見ていなかったのだが、この回に関しては相手の待球戦術に対して、球速を抑えたコントロール重視の投球をすることでうまく対処していたように見えた。
なので、9回にいきなりまた崩れたのでおかしいなとは思ったのだが……。8回終了後の注意は、強い口調で言われたようで、そのせいもあったかと妙に納得してしまった(上の記事では、アンダーシャツを変えたことも原因に挙げられているが)。
ガッツポーズの是非についてはここでは問わない。たしかに西のそれは派手すぎ、あるいは頻度が多過ぎるかもしれない。また、バッターに向けてではなく、後や横を向いてするなどすれば良かったかもしれない。
しかし、(あんまり評判の良い人ではないので言及するのもアレだが)球技ライター大島氏も書いていたが、あのタイミングで伝えることはないだろうとは思う。
だいたいガッツポーズは創成館戦でもやっているのだから(もっと言えば、予選だってやっているのだろうし)、1回戦と2回戦の間にでも指導者や部長に注意を伝達すれば済む話ではないか(それとも、下関国際戦のが特別派手だったのだろうか?)。
いつぞやの専大松戸の投手が、試合中にたびたび二段モーションを指摘されていたときにも書いたと思うが、投球モーションにせよガッツポーズにせよ、それが問題だというのなら地方大会の時点で分かっているはずで、そこを通り抜けてきたのに甲子園で注意されるのはおかしな話だ。
たしかに、全国各地の数多の審判の間で、完璧に見解を統一・共有するのは難しいかもしれない。
が、少なくとも全国大会である甲子園の大会本部や審判団の間で基準を定め、代表校が決まってから甲子園が開幕するまでの間に、それに基づいて事前に注意することはできるはず。
そうすれば試合が始まってから言われるよりは、対処のしようもあるだろう。
それを聞き入れず、あるいは対応しきれず、仮に試合中にまた同じ注意を受けることになったとしても、事前にも受けていた注意をまた聞くのと、試合で突然言われるのとでは精神的な動揺の有無も異なるはずだ。
(もっとも、マナーの問題であるガッツポーズと違い、二段モーションはルールの問題なんだから、千葉でOKなのに甲子園ではアウトとかそもそもあり得ないはずで、こちらは全国各地で基準を統一すべきだと思うが)
それを聞き入れず、あるいは対応しきれず、仮に試合中にまた同じ注意を受けることになったとしても、事前にも受けていた注意をまた聞くのと、試合で突然言われるのとでは精神的な動揺の有無も異なるはずだ。
(もっとも、マナーの問題であるガッツポーズと違い、二段モーションはルールの問題なんだから、千葉でOKなのに甲子園ではアウトとかそもそもあり得ないはずで、こちらは全国各地で基準を統一すべきだと思うが)
そしてもう一つ問題だと思うのは、創志学園の長沢監督だろう。
彼は神村学園時代からもう15年高校野球の指導者をやっているのだから、そもそもこういうガッツポーズが問題にされうることを想定して、普段からもう少し控えめにするよう指導できたんじゃないか?
もしかしたら監督はそういう感情表現を許容したい人で、ガッツポーズを止めるのは忍びなかったのかもしれないが、試合が始まれば審判の判断が全てなのであり、普段から教え諭しておけば、あの土壇場で審判に注意されてカッとなって本来の投球ができなくなる、なんて悔しい思いを教え子にさせずに済んだかもしれないのである。
さて、わずか3安打ながら5得点で逆転した下関国際。
待球作戦、バントの構えや1球ごとに打席に立つ位置を変える揺さぶり作戦などもあって、まんまと大会屈指の好投手の攻略に成功した。
この人は昨夏のゲンダイに載ったインタビューのせいで、一部(野球リベラル派とでも言うべき層)からの評判は散々だが、選手たちから監督に勝利をという声が口々に聞かれたなんて話もあり、結構慕われているようだ。
荒れていた野球部を再建した熱血指導者という側面もあり、ゲンダイのインタビューだけで速断するべきではないのかもしれない。
ただ、あれだけ荒れていた9回の西に、2点を追う無死満塁からスクイズを命じるといった采配は、結果的に暴投になったから良いものの、バッターは空振りしているわけでどうなんだろう?
興南0-7木更津総合……当たり
点差ほどの差は感じられなかった試合。5点差がついても全然まだわからないと思って見ていた。
予想通り野尻はそこそこ打たれただけに、1回、5回の外野手の好返球が大きかった。あのどちらかで点が入っていたら、試合はもっともつれただろう。
根本への継投のタイミングは、正直1人遅かったんじゃないかなと思う。無死一二塁で四番・塚本のバッティングは完全に打ち損じ。
助けられたと言えば、終盤の得点も相手のミスが絡んだものが多かった。特に貴重な追加点となった3点目は、四球のランナーをバント封殺で送れず、バッターランナーも牽制でアウト。これで2死無走者となったところから、四球と暴投で二塁のチャンスが生まれ、神子が適時打を放ったものだった。
気比戦、興南戦と、野尻は8回途中、100球~120球が限界なのかな。そこから根本にスイッチして追撃をかわしてきたのだが、いずれもかなり点差が開いた場面での交代で、粗削りな投球スタイルを見ていると、この先もっと僅差で継投になったらどうなのかな、という不安はある。
打線は相変わらず、無視一塁では確実に送りに来るスタイル(四番・野尻の時除く)で、昨夏の花咲や一昨夏の作新を思うと寂しい。
せめて野尻が出た後の五番は、クリーンナップなのだし、もう少し作戦に幅があっても良いのでは? まあ野尻がピッチャーなので、走らせづらいというのもあるかもしれないが。
しかも7点取ったにもかかわらず、この試合の無死一塁からの犠打は、失敗したものは勿論、成功したものも結局得点に絡んでいない(せっかく進めた二塁ランナーが牽制死というミスもあったが)。
前回、下位打線がラッキーボーイ的になると面白いと書いたところ、この試合で2死から田中がショートへの深いゴロがエラーを誘って出塁し、大曽根が適時打を放って先制点を挙げたので笑ってしまった。大曽根は8回にも、貴重な5点目を挙げるスクイズを決めた(それも一度スクイズがファールになって追い込まれたにも関わらず、1球ボールを挟んで今度は成功させた)。
それにしても田中のバットの持ち方は改めて短すぎだ。短く持つのは分かっているのに、改めて目の当たりにすると「短っ!」とツッコんでしまうような短さだ。
ここまでは木下、藤木、宮城と対戦投手に左の好投手が多く、わりと上手く機能しているが、右投手の外に逃げて落ちていくボールに対応できるのか……というかバットが届くのか、は気になるところ。
そういう意味では、3回戦で西のスライダーと当たってみて欲しかった(笑)
日大三8-4奈良大付……当たり
今度はなんと井上が先発。中村、井上が不調と聞いたうえで予想していたのに……(笑)
井上は3イニングを無安打投球、150キロも計測したとのこと。早く降板したのは、怪我明けなので無理はさせないためのようだ。
この日は先発だったが、今後はリリーフ待機だろうか?
センバツで敗れた三重戦は、井上を先発させるも中盤にバテて打ち込まれていたし、短いイニングでの起用の方が向いているかもしれない。中村を中心に据えつつ、いざと言う時は井上が控える陣容は面白いと思う。
奈良大付は大会前のCがチラつく評価を思えば、今大会は大健闘。この試合も終盤に離されたが、一時は3ランで2点差に迫るなど、互角に渡り合った。
最終回の攻撃は少し見ていたが、1点返してなおもチャンスという場面で流れる「青のプライド」というオリジナル応援曲(あのジントシオ氏作曲とのこと)はカッコ良かった。奈良大付自体は、今後も智弁や天理の陰に隠れてなかなか甲子園には出てこれないだろうが、この曲は全国的に定番になっていくのかもしれない。
龍谷大平安14-1八戸学院光星……当たり
こんなに差がつくとは思わなかった。100勝達成でへんに満足しなければ良いが、と書いたがその心配は全くの杞憂で、プレッシャーから解放されて伸び伸び野球ができるという方向に作用したようだ。
【勝敗予想】
【優勝予想】
【ベスト8予想】
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ご意見ご感想その他はコメント欄からどうぞ。Web拍手の方はコメント機能は無くなってしまいましたが、拍手だけでも。
前回、下位打線がラッキーボーイ的になると面白いと書いたところ、この試合で2死から田中がショートへの深いゴロがエラーを誘って出塁し、大曽根が適時打を放って先制点を挙げたので笑ってしまった。大曽根は8回にも、貴重な5点目を挙げるスクイズを決めた(それも一度スクイズがファールになって追い込まれたにも関わらず、1球ボールを挟んで今度は成功させた)。
それにしても田中のバットの持ち方は改めて短すぎだ。短く持つのは分かっているのに、改めて目の当たりにすると「短っ!」とツッコんでしまうような短さだ。
ここまでは木下、藤木、宮城と対戦投手に左の好投手が多く、わりと上手く機能しているが、右投手の外に逃げて落ちていくボールに対応できるのか……というかバットが届くのか、は気になるところ。
そういう意味では、3回戦で西のスライダーと当たってみて欲しかった(笑)
日大三8-4奈良大付……当たり
今度はなんと井上が先発。中村、井上が不調と聞いたうえで予想していたのに……(笑)
井上は3イニングを無安打投球、150キロも計測したとのこと。早く降板したのは、怪我明けなので無理はさせないためのようだ。
この日は先発だったが、今後はリリーフ待機だろうか?
センバツで敗れた三重戦は、井上を先発させるも中盤にバテて打ち込まれていたし、短いイニングでの起用の方が向いているかもしれない。中村を中心に据えつつ、いざと言う時は井上が控える陣容は面白いと思う。
奈良大付は大会前のCがチラつく評価を思えば、今大会は大健闘。この試合も終盤に離されたが、一時は3ランで2点差に迫るなど、互角に渡り合った。
最終回の攻撃は少し見ていたが、1点返してなおもチャンスという場面で流れる「青のプライド」というオリジナル応援曲(あのジントシオ氏作曲とのこと)はカッコ良かった。奈良大付自体は、今後も智弁や天理の陰に隠れてなかなか甲子園には出てこれないだろうが、この曲は全国的に定番になっていくのかもしれない。
龍谷大平安14-1八戸学院光星……当たり
こんなに差がつくとは思わなかった。100勝達成でへんに満足しなければ良いが、と書いたがその心配は全くの杞憂で、プレッシャーから解放されて伸び伸び野球ができるという方向に作用したようだ。
【勝敗予想】
25勝15敗
1回戦:13勝11敗
2回戦:(初戦)2勝2敗 (2戦目)10勝2敗
1回戦:13勝11敗
2回戦:(初戦)2勝2敗 (2戦目)10勝2敗
3回戦:
準々決勝:
準決勝・決勝:
準々決勝:
準決勝・決勝:
【優勝予想】
◎木更津総合……3回戦進出○○
○龍谷大平安……3回戦進出○○
▲智弁和歌山……1回戦敗退●
【ベスト8予想】
A:愛工大名電……3回戦進出○
B:浦和学院……3回戦進出○
C:星稜……2回戦敗退○●
D:大阪桐蔭……3回戦進出○○
E:智弁和歌山……1回戦敗退●
F:横浜……3回戦進出○○
G:木更津総合……3回戦進出○○
H:龍谷大平安……3回戦進出○○
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